国際青少年デー2016・
ダルフール       

UNDPスーダン
青年ボランティア・ダルフール 復興
プロジェクト

国際青少年デーは全世界の青少年の成果を祝うため、毎年8月12日に行われている記念行事です。

青少年を取り巻く問題に焦点を当てながら、彼・彼女たちが社会へ及ぼす影響力に注目し、よりよい社会づくりのために若者の積極的な参加を促すことを目的としています。

2016年は、「2030年への道:撲滅貧困と持続可能な生産と消費の実現」のテーマのもと、世界各国で国際青少年デーを祝うイベントが開催されました。

国際開発計画(UNDP)スーダンは、8月10日から13日の間、
国連ボランティア(UNV)プログラムとの合同プロジェクトである、青年ボランティア・ダルフール復興プロジェクトを通し、国際青少年デーを祝う数々のイベントを、ダルフール4州にて開催しました。

イベントでは、ボランティア活動を推進すると共に、貧困及び社会的疎外問題、ダルフールの平和と発展における若者の役割について話し合いが行われました。

 更に、若者と市民社会組織を対象に持続可能な開発目標(SDGs)についての啓発活動も実施しました。

イベントには、当プロジェクトの青年ボランティアと、多くの地元
コミュニティの若者、学生、国内機関及び国際機関、政府関係者が
参加しました。

       南ダルフール州 ニヤラ       
ワークショップ:持続可能な開発目標 

(Photo: UNAMID)

南ダルフール州のニヤラでは、UNVプログラムと連携し、持続可能な開発目標(SDGs)についてのワークショップが行われました。

ワークショップには、UNDPの青年ボランティア9人と、州社会政策省、女性組合、ニヤラ大学、国連機関及びNGOから、22人が参加しました。

ワークショップの講師を勤めたUNDPにUNVとして勤務するアニータ・ビアンチさんは以下ようにコメントしています。

「参加者全員がSDGsについて高い関心を示してくれ、草の根レベルでSDGsを広めていく必要性があるという意見もでました。そのためには、私たちUNVボランティアこそ、それを実現させる役割りを担えると思います」

ワークショップに参加した、南ダルフール州クブン出身のUNDP
青年ボランティアであるアルマゾズ・ムハンマドさんは、

「アニータのワークショップは非常に素晴らしく興味深かったです。このワークショップのおかげで、持続可能な開発目標(SDGs)と
ミレニアム開発目標(MDGs)の違いが、ようやく理解できるようになりました」とコメントしました。

北ダルフール州 エルファシャ
展示会
  

(Photo: UNDP Sudan) 

北ダルフール州のエルファシャでは、国際青少年デーのイベントを、
エルファシャ大学にて、エル・ナジャーハ協会(地元の青少年協会)とNGOのプラクティカル・アクション、シャイフ・サーニ・イブン・アブダッラー設立人道サービス(RAF)と共に開催しました。 

開会式には、当プロジェクトの青年ボランティアや地元青年グループ、ダルフール人道調整次官をはじめ、以下の団体より多くの参加者が集まりました。

国連機関:UNDP、UNV、国際連合アフリカ連合ダルフール派遣団(UNAMID)
政府関係機関:州財務省、州青少年スポーツ省、州社会政策省、
エルファシャ大学
国内銀行:スーダン銀行、ハルツーム銀行、預金開発銀行

全てのゲスト講演者が、貧困や紛争の撲滅、ダルフールの発展における若者の役割の重要性を強調しました。

また、政府関係者からは、UNDP青年ボランティア・ダルフール復興プロジェクと、そのドナーである韓国政府に、ダルフールの復興及び発展に注ぐ努力と功績を称え、感謝の意が述べられました。

さらに、展示会ではUNDPの青年ボランティアがブースを設け、彼・彼女たちのボランティア活動経験を紹介したり、プロジェクトの広報活動を行いました。

           
北ダルフール州  ダグダグ村
   青少年デー ・フェスティバル               

 

(Photo: UNDP Sudan) 

ダグダグ(Dagdag)村は北ダルフール州のエルファシャ市内から約15キロに位置し、現在は3人のUNDP青年ボランティアが派遣されています。

ダグダグ村では、青年ボランティアとコミュニティリーダーが協力し、村人及び近隣村から人々を集め、国際青少年デー・フェスティバルを大々的に開催しました。

フェスティバルでは、UNDP青年ボランティアが当プロジェクトの目的やコミュニティへの成果を発表しました。そして、コミュニティリーダーたちは、ダグダグ村支援に勤しむ青年ボランティアの懸命な働きとその努力を認め、表彰式を行いました。

また国際青少年デーについて、ダグダグ村出身の青年ボランティア、マハ・アバカルさんは以下のようにコメントしました。

「この青少年デーを祝うフェスティバルは、私たちコミュニティにとって初めての企画です。私たちのねらいは、ボランティア活動の啓発と、村内外全ての若者の力を集結させることです」

青少年デー・フェスティバルの成果として、青年ボランティアがコミュニティリーダーとの連携により、ダグダグ村チャリティー協会と学生協会という地域密着型ボランティア組織を設立しました。

既にダグダグ村と近隣村から、多くの若者たちが2つの協会に参加登録を済ませています。

西ダルフール州ジュネイナ
中央ダルフール州ゼリンジ

ワークショップ&植林イベント

植林キャンペーンに繰り出すボランティア(Photo: UNAMID) 

西・中央ダルフール州のジュネイナとゼリンジでは、UNDP青年ボランティアたちが、貧困削減とダルフールの平和構築における若者の役割についてワークショップを開催しました。

UNDP青年ボランティア、地域の若者及び学生と州省庁の代表者が討論を行い、ボランティア活動やダルフールが直面している課題についても意見交換が行われました。

またジュネイナでは、環境保護及び保全の意識向上を目的とした植林イベントが行われ、当プロジェクトの青年ボランティアと地域の若者が、ジュネイナ大学構内に25本の木を植えました。

ズハル・アダム 青年ボランティア   
南ダルフール州 モシIDPキャンプ


「国際青少年デーはとても重要です。
なぜなら、我々若者が直面している問題に
世界中の関心を引きつけることができ、
また、ダルフールの若者が団結する良いきっかけになるからです。」    


北ダルフール州ダグダグ村 (Photo by UNDP)

青年ボランティア・ダルフール復興プロジェクトは、UNDPと
UNVの共同プロジェクトであり、韓国政府とスーダン政府より支援を受けています。

また、UNDPのプロジェクトチームには、日本人の国連ボランティアが勤務しています。同ボランティアは、UNVとJICAとの連携による国連ボランティア特別枠によって派遣されており、派遣にかかる費用は、JICAによって負担されています。

プロジェクトに関するお問い合わせはこちら: 

John Anodam, Programme Manager, UNDP Darfur Livelihoods and Recovery Programme, UNDP in Sudan john.anodam@undp.org (英語)

UNDPスーダン事務所、 ダルフール生計支援&復興プログラム
プロジェクトアナリスト 天野裕美
hiromi.amano@undp.org (日本語)


当プロジェクトのフォトストーリーも併せてご覧ください:
UNDP Sudan Youth Volunteers Rebuilding Darfur Project -Phase I


編集:UNDPスーダン事務所、プロジェクトアナリスト 天野裕美

訳:UNDP スーダン事務所、ダルフール生計支援&復興プログラム
ユースボランティア・コーディネーター 備瀬千尋